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知的工業製品 その1

マイミクさんの書評が気になって購入した、原 丈人著「21世紀の国富論」。VC(ベンチャー・キャピタル)の現場の最前線から、技術、社会、資本主義経済と、グローバル化といった、、その変化を俯瞰しながら、人を基点にした産業と社会の理想的な将来を展望し、その実現のための方法論を解説。ハテナも多いけど、いろいろと示唆に富む内容。

「21世紀の国富論」

雑誌「太陽」の平凡社とシリコンバレーのVC経営者の組み合わせに、最初はあれっという印象だったけれど、きっちりとした日本語で読みやすく書かれているので、安心。
「ほぼ日刊イトイ新聞」の中の対談記事「原丈人さんと初対面。」を併せて読むと、著者の考え方の背景も理解できて楽しい。

今の関心から、多めの抜書き、、
アメリカ型のROE信仰に追随するのは間違っていると批判しつつ、、(ROE:Return On Equity:株主資本利益率、ハテ?、)

サービス業か製造業か。こうした呼び名の問題は、些細なことであると感じられるかもしれません。しかし、これから二十一世紀型の新しいタイプの産業を生み出していく上でも、形のある「物的工業製品」から形のない「知的工業製品」への移行という非常に大きな転換があることを理解する必要があります。この大きなうねりのなかで今、「知的工業製品」を基盤とした新たな戦略が必要とされているからです。
原 丈人著「21世紀の国富論」(89pp)より

DB(データベース)に関連する「インデックス・ファブリック(、、ハテ?)」を基盤技術とした「PUC(パーペイシブ・ユビキタス・コミュニケーション、、ハテ?)」がポストPC(パソコン)の主役になると、、、そして、、、

「物的工業製品」で大切なのは、小さなイノベーション(技術改良)の積み重ねです。これを実現する上でも、多くの企業がもつ整然としたピラミッド型の組織が威力を発揮してきました。しかし、「知的工業製品」で求められるのは、より根本的な発想の転換を促すようなインベンション(発明)、そしてディスカバリー(発見)です。ソフトウェアや通信技術、バイオテクノロジーのような産業(=知的工業製品)で必要なクリエイティビティは、むしろ画家や音楽家といった独創性に富んだ芸術家の創造性に似ているのです。
  (中略)
優秀な人材を多く集め、過去の延長戦上で改良を重ねるだけの大企業では「知的工業製品」の世界で求められる技術の突破口(テクノロジー・ブレークスルー)を見いだすことはできなかった。それはむしろ、芸術家のようなユニークで豊かな発想をもつ個人や小集団の周囲で生まれるのです。「知的工業製品」をつくる産業において中小企業がもつ大きなアドバンテージは、ここにあります。
  (中略)
・・・マーケティングによって浮かび上がってくるような新商品は、あくまでも世の中の多くが同意する最大公約数的なものでしかありません。仮にこのような特徴に乏しく、優等生的な商品を手掛けたとしても、資本力において歴然とした差がある大企業に勝つことは不可能であり、中小ベンチャー企業の強みを生かせません。マーケットリサーチというのは、基本的に、大企業がもっとも売れる「物的工業製品」を生み出すために使われた手法なのです。
もしも、マーケットリサーチ機関などを使って得た調査結果を「知的工業製品」に無理やり当てはめようとすれば、失敗するのは火を見るよりも明らかです。この分野で必要とされているのは、誰もが想像することができなかったような新しい発想であり、誰もが共通してほしがる商品などではないのです。リサーチの結果に拘泥した結果、逆に想定する消費者の顔が見えなくなってしまい、「仕様倒れ」に終わってしまう技術開発も多いのです。原 丈人著「21世紀の国富論」(153~155pp)より

その際の企業統治(ガバナンス)の仕組みについて、フラットであることの重要性が説かれたうえで、、

ベンチャーキャピタルにおける投資のコツがあるとすれば、それはまず「主観的な考え方」を持つことです。
それが将来どのくらい売れるかということよりも、まずはベンチャーキャピタルの担当者が、エンドユーザーとして自分自身もぜひ使ってみたいと納得できるような商品を開発する会社を選ぶことです。
原 丈人著「21世紀の国富論」(161pp)より

とある。
もしかして、「知的工業製品」を「感性産業製品(ハテ?)」と言い換えても、良いのではないかと、思えてくる。...

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