- 08-06-30
アトラクションの構成要素のなかで一番需要であるとマッカーネルが考えるのはマーカーである。マーカーとは、見どころに関する情報であるが、この場合、どのような情報をも包括するものとして用いられている。たとえば、旅行案内書、博物館ガイド、旅行体験談、美術史のテクストや講義、学位論文集などに盛り込まれている情報もマーカーである。このマーカーがなければツーリストは見どころを認識することができないばかりか、見どころ自体もあるべき姿としては存在しえないのである。マーカーはツーリストに対してアトラクションとしての情報を提供し、それが認知されたものであることを知らしめることにより、見どころをとしてマークするものである。
見どころは、見どころに付随した情報であるオン・サイト・マーカー(on-sight-marker、たとえば、道標、記念銘板、碑文など)と、見どころから切り離された情報であるオフ・サイト・マーカー(off-sight-marker、たとえば、絵はがき、写真集、宣伝など)に区別することができる。
ツーリストは対象を見どころとして認識することが重要であると考えるマッカーネルは、観光(sightseeing)とは、ツーリストが見どころへと到達するまで、マーカーからマーカーを巡るものであるとして、マーカーと見どころの関係を、シニフィアン(sighnifier、意味するもの)とシニフィエ(sighnified、意味されるもの)との関係として捉える。
そして、彼は見物という行為は、最初、オフ・サイト・マーカーを通じて見どころを知ったツーリストが、その情報に従いオン・サイト・マーカーにたどり着き、オン・サイト・マーカーによってそれが見どころであると認識することである、と考える。
(35~36pp)




