- 05-08-31
- #01 小浜温泉の挑戦
今年3月にはTMO構想を策定し、町の認定を受ける段階にきた。さらに、新たにタウン・マネージメント機関として、既存組織の集約再編も視野に入れた、まちづくり会社の設立準備を進めている。まちづくり活動とその情報を一元化し、総合的に事業をプロデュースする専門人材を配置することを目指している。
また、この春には、「波の湯・茜」がオープンした。最初の写真の横断幕にあった露天風呂である。その名の通り、堤防の外、テトラポットの上にある。波が打ち寄せる湯につかり、夕日を眺める。ここを集客の拠点に、相乗効果を狙った新しいまちづくりに向けて、地場産品直売フェア等の試行イベントが進められている。地域のポテンシャルを高め、施設計画のフィジービリティ・スタディを具体化しようとするものである。
現実には、TMO構想はできたけれど、事業へ移行できない中心市街地が多い。まちづくりの主体となる人材の確保、住民・関係機関等との合意形成や資金調達といった課題のために、多くの労力と時間が費やされ、次のステップに辿りつけないところが多い。
島根県松江市の天神町商店街では、中心市街地活性化を契機として、高齢者をターゲットにした商店街づくりを推進している。ボケ封じの天神さんまで建立し、月1回の縁日を催し集客を図るなど、短期間に成果をあげている。全国からの視察が絶えず、ハコもの・ハードに頼らずとも、まちの活性化は十分可能なことを示している。
小浜町中心市街地のまちづくりも、民間・住民主導で、知恵を絞りながら取組みを重ねてきた。ようやく、将来のまちの方向性がかたちを顕しつつある。これからの頑張りの継続にかかっていることは、もちろんだが、福祉と集客・商業とが複合した、新たな温泉観光地のモデルを小浜温泉が提示する日は近い。
(社)日本建築協会 発行 『建築と社会』 所収、
「長崎県小浜町「こころポカポカ小浜温泉」を目指したまちづくり」より




